AnotherVision Countdown Calendar 2019

AnotherVisionメンバーによる"Countdown Calendar"を2019年もお届けします

「正しい」が存在しない世界

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こんにちは。13日の金曜日とかいう不吉な日を担当します。AnotherVision7期のあるつ(@Arutu_R2)です。

AnotherVisionでは主に謎と映像を創っている人です。

自己紹介も込めてここで一旦この人の謎界隈における活動歴を見てましょう。

 

2016年10月 E-Scope 設立
2016年11月~2017年10月 一枚謎制作
2017年11月 LINE謎 D_L_T_ 公開
2019年
5月 新入生一枚謎コンペ 優勝
8・9月 Revolver PV/ED映像制作
10月 Closedβ ED映像制作
11月 パスティール OP/ED映像制作

 

ん??途中から流れ変わってない???分かるな~

というわけで僕なりの映像論やら謎論やらをズラズラと書き並べていくよ。

「そんな時間ねぇよ」って方はここから出直してきてください。

 

 目次

 

映像論

偉そうに「映像論」などと題している僕ですが、映像制作を始めたのは

 

2016年10月 E-Scope 設立
2016年11月~2017年10月 一枚謎制作
2017年11月 LINE謎 D_L_T_ 公開
2019年
5月 新入生一枚謎コンペ 優勝
6月 映像制作 開始         ←ここ
8・9月 Revolver PV/ED映像制作
10月 Closedβ ED映像制作
11月 パスティール OP/ED映像制作

 

え、バリバリの初心者じゃん。

何を思って映像論なんてトピックを選んだの?恥ずかしくないの?うるさい

 

初心者には初心者なりにしか書けない記事がある気がするので1年後、5年後になって今を振り返って何を思おうが気にしないことにします。

 


さて突然ですがここで問題です。これな~んだ?

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突然始まるクソなぞなぞ



 

正解は......

 

 

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ド―――――ン

 

AviUtl*1の起動画面でした~

 

 

 

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まあまあ、怒らないでください。

 

要するに僕はこう言いたいんです。

 

皆さんの見ている映像はすべて“ゼロ”から創られている、と。

もちろん音楽、デザイン、謎やテキスト等の謎解き公演に欠かせないであろうこれらのすべての創作物も例外ではありません。

なんと、すべては白紙*2の状態から創られていたのです!!!!

 

 

 

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分かるな〜

ただこの「当たり前」を抑えておくことで創作物に対する見え方が変わってくると思うんです。

 

「すべての創作物は、創作者が意図をもって創作している」

 

分かりやすく言い換えると……

 

「創作者がそこに四角形を配置しなければ四角形は現れない」し、

「創作者がそこに休符を置かなければ音は止まない」し、

「創作者がそこに色を与えなければ色は見えない」し、

「創作者がそこに“はてな”を見出さなければ問いは生まれない」し、

「創作者がそこに読点を打たなければその一拍は存在しない」のです。

 

逆に分かりにくくなってない?

 

それが創作物である以上、意図が与えられていない一瞬など存在しえないのです。

映像の一瞬一瞬が、音楽の一音一音が、テキストの一文字一文字に対してそこには確かに「創り手」が存在しているんです。そして彼ら彼女らが“ゼロ”から生み出したそれらの集合体こそが「創作物」なんです。

 

やばない?やばいでしょ?やばいんです。*3

 

これに関連してたまにこんな質問されます。

 

「映像制作って大変だよね。やっぱり一番時間かかるのはカメラ操作とか?」

 

 

 

いいえ。

 

一番時間がかかるのはどう考えても脳内構想です。

圧倒的脳内構想。総制作時間の80〜90%くらいは脳内で行われています*4

 

<脳内>
ここのイメージカラーは青かな....いや紺にしよう…で、この音に合わせてこの文字を動かしたい…それならこういう加速度で動かしてそれと同時に図形を配置して...…

 

脳内で大雑把にイメージができたら早速手を動かして可視化していきます。

さぁ無事に脳内再現ができて動画が完成.....

 

 

 

 

 

 

 

できません。

 

だっていざ再現してみたら思ってたんと全然違うんだもん。

 

<脳内>
ここの動き音楽に合ってなくて気持ち悪い...そもそもイメージカラーが間違っているのか...?うーん、とりあえずこの図形目障りなので消してから考えようか……

 

しばらくして完成した進捗を見てみましょう。

 

 

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2度目の虚無画像

 

 

何も残ってない!

 

これが俗にいう「進捗ダメです」状態です。

この状態に陥ると、「なんで制作を引き受けてしまったんだ」とか、「映像何もわからないしんどい助けて」などと、良くない思考に走ってしまいます。

 

でも何とかこの状態を乗り越えて、n回この流れを繰り返していくと少しずつ進捗が生まれ、確定する部分が増えていき、段々映像の全体像が掴めてきます。*5

最後に細かいところを色々と直して色々と付け加えて色々と調整して、

 

あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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っという間に映像の完成です!

 

あそこの1F*6もあんなところの1F*7もすべて誰かさんが意志をもって創り出した作品の断片なのです。

 

これは他の創作物も同様で、人なりに悩んで、苦しんで、意図をもってやっとの思いで“ゼロ”から生み出されたものがほとんどでしょう。

 

こう考えてみると、創作物ってメチャクチャ尊くないですか?え、前々から気付いてた?うるさい

 

ただ、ここで勘違いしてほしくないのは、その創作物を手に取った人が「意図を探し」たり、「意図を当て」たりする必要は一切ない、ということです。

 

むしろ、僕の持論としては

 

 

 

 

 

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それが見えたら、終わり。

 

「君この文字が読みやすいように若干他の文字よりも明度上げてブラー外したでしょう〜」なーんて言われた日には恥ずかしくて死にます。やめてください。

創作物をより良くしたいという思いで拘った点は多くありますが、それは「気付いてほしい」ためにそうしたのではなく、あくまで作品のためです。

創り手の何かしらの意図に気付こうとする必要は一切ありません。

 

受け手が受け手なりに好きに味わうべきだと思います。

 

「正しい」解釈なんて存在しないし、「正しい」解釈などあってはなりません。

 

なぜなら

そもそもその創作物自体が「正し」さを持ち合わせていない

からです。

人が自由に考え、生み出したそれに「正し」さがあってたまるか。

(例え殺人を推奨する創作物があったとしてもそれが正しいかどうかは議論できない。が、もちろん法的に考えて正しくない)

 

特に謎解き公演のOPなどをはじめとする再現性のない映像に関しては色々と葛藤がありました。

それはOPの役割としては最低限「文字を読ませる必要がある」からです。

お金を頂いて一回しか見せられない映像、ストーリーを把握させるためにもなんとしてでも文字を拾わせなくてはいけない。

でもカッコいい演出は施したいし、映像も曲に合わせてカッコよくしたい。

制作中に何度もこれらの条件を満たすような「正しい」映像が存在してしまうような気がしてとても辛かった時期もありました。

 

紆余曲折があって完成したのがパスティールOPです。

「正し」さには捕らわれずに、ただただ自分が創りたい、自分が納得できるような、公演に価値を付加できるような映像を創りました。

結果的には可読性に長け、1Fごとにコマ送りしてもらえば思いもよらない発見があったりと、細部まで拘れたものに仕上がったと思います。

 

なんか映像論よりかは創作論になっちゃったなぁ。

映像自体に対する思いも色々あるんですが、それは来年の動画講習会のときでにも話そうかしら。*8

 

パッと盗んじゃえ

さて、そんな創作ですが、残念ながら経験が乏しいと頭の中から引き出せる型が数えるくらいしかありません。*9他人の映像を丸コピしたり絵をトレースなんてしてそれを自分の創作物だと名乗った日には××××

 

そういう意味で「創造」の対義語を「模倣」と定義した人はまーじで天才。

 

でも今からちょっと矛盾することを言います。

「スゴイ!と思ったアイデアがあったらパッと盗んじゃえ」

これが本当のパスティールってね!!

 

丸コピするのはマナー違反ですが、自分の創作物に他人のアイデアをバレないように*10盛り込めるならそれはそれでいいです。

自分の引き出しには限りがあるので他人からどんどん盗んじゃいましょう。

 

かくいう私のパスティールOPも偉大なる一隅さん*11のニブッチ*12OPからかなりアイデアを頂戴しました。だってメッチャカッコいいんだもん...

(まぁこれはアナビ内のほぼ全員にバレているらしいんですが...)*13

 

盗み先は多ければ多いほどいいというのも間違いありません。そのために強く推奨したいのが「創作垢を作ろう」ということです。

同じ趣味の人を仲間にできる上、自分の投下した創作物に対してリアクションしてくれる、これ以上に成長できる場はないです。

 

創作を始めたい君!Twitterアカウントを作ろう!

まずはそこからです。

そんな僕の創作垢に興味がある人はここをポチってしてみてね。

 

謎論

ここからはいよいよ謎論に突入です。

さすがに長くなってきましたね。

でもほら、右側のスクロールバーを見てごらん。

あと少し!

 

たかが半年の付き合いの映像に比べて、謎とは随分と長い付き合い*14になりました。

 

そしていよいよある問いに答えるべき時がやってきました。

 

「あなたにとって謎とは何ですか?」

 

 

 

僕が導き出した結論、それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

......分からん。

 

ごめんなさい。

ここまで書いておいてなんですが、本当に分かっていないんです…

ただ、最近制作を通して確かに気付いたことがあるとすれば

 

 

「やりたいことをやりたい」

そして謎は、そのやりたいことをやるための手段でしかなかった。

 

つまり、僕は別に「謎を作りたかった」わけではないようなんです。

 

偶然にも謎解きというコンテンツが、自分のやりたいことをやる場として、必要な条件を満たしていただけだったみたいなんです。

 

そういう意味では、「他人の需要から生まれる謎解きの制作には気が乗らない」自分がどこかにいます。

特に昔はあんなに必死になって作ってた一枚謎というジャンルも、最近では作る気力が全く湧きません。*15

 

思えばあのLINE謎も、これがやりたいんだという衝動のみで創りあげた気がします。

まだ遊んでない人は遊んでみてね。

 

そして

この gift謎 も遊んでみてね。*16

 

 

 

 

「創りたいものを創るための、手段としての謎解き」*17

それは創作物である以上、「正しい」が存在しない世界です。

自分はそんな世界が好きだからこそ、ここにいるんだと思います。

 

なので、これからもこれからで、自分の創りたいものを創るために謎を作り続けようと思います。

人手が必要であれば是非僕を巻き込んじゃってください。そしてその創りたいものに共感できた折には全力で手伝わせてください。

 

自分語りもさすがに長くなりすぎた*18のでここら辺で終いにします。

 

特に何もオチを用意できていないです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

明日は昔からちょっぴりご縁のある*19フスマさんの記事です。

待ちきれないという方はフスマさんのこちらの記事でも読みましょう。

 

 

【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます】

 

 

*1:動画制作ソフトはAfter EffectsとAviUtlの二大派閥に分かれる。前者は有料ソフト、リッチ、人生の勝者が使ってるのに比べ、後者は(検閲により削除されました)

*2:まあ画面は真っ黒なんですけどね。

*3:こんしる構文。

*4:実際は同時に手も動かしてることが多い。

*5:突然雑になったなおい。

*6:時間の単位。

*7:1フレーム。24フレームで1秒だったり30フレームで1秒だったりする。

*8:気が早い。

*9:僕のことですね、はい。

*10:正確には、バレないことに本質があるのではなく、リスペクト精神が重要。

*11:AnotherVision4期の謎とデザインと映像の制作をまとめてやる化け物。先日久しぶりにお会いしましたがメチャクチャ優しかった...。

*12:「ニブンノイチマッチ」。僕が参加した謎解き公演で暫定一番好き。

*13:証人:偉大なる先輩 すざっち こと すざりあ。そんな頼れる先輩の激面白記事はこちら

*14:小学生の頃は家に帰って日本語版無料脱出ゲーム集で遊ぶのが日課でした。今はもう更新されてない、悲しい。

*15:これ関係なしに一枚謎って作るのメチャクチャ難しいよね。分かるな~

*16:現段階では進行不能なところもあると思うけどそこは解説サイトで補ってね。

*17:この点においてもgift謎は堪らなく好きです。

*18:5.5k文字くらい。

*19:約3年前、作った一枚謎のネタが被ったことがある。